医療法人社団永生会 南多摩病院 医療法人社団永生会 南多摩病院
YoriSoi Care導入法人様への特別インタビュー

今後の医療・介護連携の在り方と、ITサービスの可能性

医療法人社団永生会 南多摩病院 病床数 170床(一般病棟 170床)

導入事例のPoint!

  • COVID-19がソーシャルワークに与えた影響
  • 最適な情報連携の方法と気を付けるべき点
  • 患者さまの公平性を保つためにはサービス参画数が重要
  • 木下さま

    木下さま(MSW歴14年)

    医療法人社団永生会 南多摩病院 事務部長

COVID-19の影響で「面談業務」を思うようにできなくなってしまいました。

木下さまのご経歴を教えてください。

木下さま はじめに、医療法人社団永生会 永生病院の医療相談室に医療ソーシャルワーカーとして入職し、個別援助を中心に努めていました。
その後、承継準備室への配属を経て、現在勤務しております南多摩病院の医療連携室で医療ソーシャルワーカーとして個別援助を行っていましたが、徐々に事業管理にも携わるようになり、現在の役職となりました。

医療ソーシャルワーカーを志したきっかけを教えてください。

木下さま 私の学生時代に、家族が医療ソーシャルワーカーの方に支援をいただいた機会があり、とても素敵な方であった印象があります。
人柄の良さを感じ、憧れに近い感情を抱いたことがひとつのきっかけとなります。思い返せば二十数年前の当時は、現在のように医療ソーシャルワーカーという職種が確立されておらず、珍しい経験であったと思います。

昨今のCOVID-19の流行は、医療ソーシャルワークにどのような影響を与えたのでしょうか。

木下さま ソーシャルワークのベースとなる「面談業務」を思うように行うことができなくなったことが、一番の影響でしょうか。最適な支援を行う上では、患者さま・ご家族さまと対面して声色や表情から様々なものを感じとることが重要であるものの、代替手段である電話ではそれが実現できない場合があります。その点は、医療ソーシャルワーカーの仕事としてはデメリットであると捉えています。
また、病院に入院したり、施設に入居したりすると、感染リスクを避けるため患者さまとご家族が面会できないことが多くあり、そのような背景から在宅療養を希望する方が増えたと感じています。

病院/施設間の連携の面ではどのような影響がありましたか。

木下さま 病院/施設担当者間の対面での接点がとても減りました。オンラインでの会議も行われていますが、診療報酬算定に係わる項目に沿うかたちで、最低限の開催にとどめてしまっている印象があります。
ただ、感染対策が優先される状況なので、それに合わせて行わざるを得ないというのが正直なところです。一方で、オンライン会議は非常に便利だと感じており、様々な会議に参加しやすくなりました。
今後は、オンライン会議/オフライン会議のお互いの良い部分をうまく融合していく必要があると思っています。

COVID-19の影響
面談業務が減り支援が難しくなった 在宅療養の希望が増えた 病院/担当者との対面での接点が減少 オンライン会議の普及で様々な会議に参加しやすい 面談業務が減り支援が難しくなった 在宅療養の希望が増えた 病院/担当者との対面での接点が減少 オンライン会議の普及で様々な会議に参加しやすい

多くの病院/施設の参画により、患者さまにとっての公平性を保つことができます。

医療ソーシャルワーカーの業務で課題に感じられていることはありますか。

木下さま 調整業務に関していえば、送り手と受け手はお互いが欲しい情報が異なるので、フォーマット等を用いて標準化を行うことは難しいと個人的には感じています。そのため電話を用いて個別性の高い調整が行われています。地域連携システム普及のハードルはそこに課題があると思っており、医療/介護対応等の患者さまの細かな情報を転記する必要があるのであれば、電話一本で済ませてしまいたいと感じてしまうからです。
電話よりも手間がかからずに、さらに便利でなければならないことを考えると、患者さまのカルテを病院/施設間で共有できるようになることが解決策のひとつであると考えています。
ただ、課題も多く、患者さまの共有してよい情報と共有してはいけない情報の判別や、個人情報保護をどのように行うかを考えていかなければなりません。どこまでの情報を、どのように開示すれば調整業務がうまくまわるかを吟味していく時代になってくるであろうと思います。

YoriSoi Careでは、患者さまの情報を登録すると受け手に必要な情報だけが公開されます
個人が特定されない調整業務に必要な情報のみを提供 個人が特定されない調整業務に必要な情報のみを提供

YoriSoi Careに期待することはどのようなことでしょうか。

木下さま プラットフォームサービスで重要だと感じていることは3つあり、ひとつは網羅的であるということ。より多くの病院/施設に参画いただくことで、患者さまにとっての公平性を保つことができることに加えて、サービスユーザーの利便性も向上します。
次に、いかに患者さま情報の転記の手間を省くことができるかということ。最後にサービスの安全性がしっかり担保できていることが必要になってきます。YoriSoi Careではその点をしっかりと抑えながら、サービスを展開していくことを期待しています。

本日は貴重なお話を頂きありがとうございました。

木下さま